■AISAN RACING TEAM / 愛三工業レーシングチーム(ART – JPN)
(UCIコンチネンタルチーム)

チーム設立50周年、ひたむきな挑戦に期待!
愛知県に本拠を置き、UCIコンチネンタルチームとして21年目を迎える伝統のチーム。
UCIアジアツアーへの積極参戦を継続しており、過去にはアジア最高峰のステージレース、ツール・ド・ランカウイ(UCIプロシリーズ)でのステージ優勝も数度飾っている。
今シーズンは、23年大会の最終ステージでは3位に食い込み、世界レベルの選手と肩を並べて戦えることを示し、翌年ワールドチームで走ることとなったオールラウンダーの留目夕陽、昨年大会で山岳賞を獲得したシクロクロス全日本チャンピオンの織田聖、昨年全日本学生選手権個人ロードで優勝した阿見寺俊哉らが新たに加入。
スプリントになれば2023年大会の日田ステージでメイン集団の先頭でステージ4位に入ったベテラン岡本隼が持ち前のスピードで勝負する。
また次世代のオールラウンダーとして成長が見込まれる松井丈治や、既に国内外のレースで結果を出し始めている宇田川塁や南和人らの若手の走りにも期待したい。
■ASTEMO UTSUNOMIYA BLITZEN / Astemo宇都宮ブリッツェン(ABZ – JPN)
(UCIコンチネンタルチーム)

高い結束力が武器の赤い稲妻
栃木県宇都宮市に拠点を置く、国内を代表するUCIコンチネンタルチーム。
地域密着型チームのさきがけとして、今年創設18年目を迎えた。チームエースは起伏あるコースの少人数スプリントを得意とするパンチャーの岡篤志。国内の主要ステージレースでは区間優勝・総合優勝を遂げているが、マイナビ ツール・ド・九州では未だ勝利がない。
エースの勝利の鍵を握るサポート選手の層も厚い。東京五輪日本代表で42歳の大ベテラン増田成幸、MTB・シクロクロス・ロードレースの3種目を高いレベルで走る沢田時、クライマーの谷順成、登坂力と独走力を併せ持つ宮崎泰史、レース中盤の要となる武山晃輔ら、経験豊富な日本人選手が揃う。また、隣国台湾を代表する2名、フォン・チュンカイとセルジオ・トゥは共に世界最高峰のUCIワールドチーム所属経験をもつ。
ヨーロッパのサーキットを知る選手の存在は、UCIワールドチームと対峙することになるマイナビ ツール・ド・九州で大きな意味を持つ。ツアー・オブ・ジャパン 2026のチームタイムトライアルで見せた結束力を武器に、大会初勝利を目指す。
■CCACHE X BODYWRAP / キャッシュ X ボディラップ(CBW – AUS)
(UCIコンチネンタルチーム)

スピードマンと期待の若手を擁するオージーチーム
2010年に創立したオースラリア籍のUCIコンチネンタルチーム。近年はUCIアジアツアーのレースへ積極的に参戦しており、日本のレースでもお馴染みの存在となりつつある。次代のトッププロを志すオーストラリアの若手選手が多く在籍しており、トラックレースのバックボーンを持つ選手も少なくない。
2026年シーズンにおいてチームの中心選手は今季好調さを見せる28歳のアラステア・クリスティー・ジョーンズと、スプリンターのリアム・ウォルシュだ。
共に今年のツール・ド・キョンナムでステージ優勝を飾る活躍を見せている。ウォルシュはヨーロッパのUCI 1クラスレースで勝てるスプリント力の持ち主であり、ワールドチームが揃うマイナビ ツール・ド・九州でも集団スプリントでは要注目の一人。ツアー・オブ・ジャパン 2026でステージ優勝を飾った19歳のオスカー・ギャラガーは新星として活躍が期待される。
起伏あるコースでも生き残り、キレのあるスプリントができるため、ウォルシュが残れないサバイバルな展開になれば彼がステージを狙うことになる。
ワールドチームの育成チームを経験し今季チームに戻ったマシュー・グリーンウッドは、山岳で力を発揮するオールラウンダーとして総合上位を狙える存在だ。
■KINAN RACING TEAM / キナンレーシングチーム(KIN – JPN)
(UCIコンチネンタルチーム)

世界レベルの選手と日本の実力者のコンビネーション
和歌山県に拠点を置くUCIコンチネンタルチーム。
自転車競技へのサポートを続ける株式会社キナンがスポンサーする伝統のチームだ。
チーム最大の目標はホームレースであるツール・ド・熊野だが、その高い戦力で国内外のUCI公認レースで年間活躍を見せる。
ステージレースでエースを務めるのは、過去にワールドチームに所属し、グランツールのひとつブエルタ・ア・エスパーニャでリーダージャージ着用経験をもつオールラウンダーのレイン・タラマエ。小石祐馬や山本元喜、新城雄大といった経験豊富な選手たちは、エースを支えつつ自らのチャンスも追求する。
スプリントでは今季加入しツール・ド・台湾とツアー・オブ・ジャパンでステージ優勝を飾っているルーカス・カーステンゼンが力を見せるほか、混沌とした展開になれば元全日本チャンピオンの草場啓吾も狙うだろう。
ヨーロッパ育ちで若手オールラウンダーとして成長中の橋川丈には総合成績での期待もかかる。
■LI NING STAR / リーニン・スター(LNS – CHN)
(UCIコンチネンタルチーム)

アジアナンバー1に着実に近づく中国の強豪
2020年創立の中国のUCIコンチネンタルチーム。
元体操選手で金メダリストの李寧氏が手掛ける総合スポーツブランドLi-Ningがメインスポンサーを務める。近年は元UCIワールドチーム所属選手や、ヨーロッパ・オーストラリアから実力ある中堅選手を獲得しチーム力を増強。
2025年シーズンはUCIアジアツアーでチームランキング2位につけている。強力な独走力で今年ツール・ド・熊野でステージ2勝を飾り、あわや総合優勝という走りを見せたニルス・シンシェックや、かつてUCIワールドチームに所属しスピードに長けるキャメロン・スコット、UCIプロチームに所属経験のあるルーク・マグウェイやカラム・ジョンストンなど、そして平坦路で圧巻の加速を見せるスプリンターのアレクサンダー・サルビーなど主にスピードコースで力を発揮できる選手が揃う。
厳しい山岳を含むステージレースでは、13シーズンに渡り欧州トップチームで活躍したアルゼンチンのエドアルド・セプルベダがエースを務める。アジアナンバーワンチームとなるために、シーズン最終盤のマイナビ ツール・ド・九州2026でもレースを動かしてくるだろう。
■SHIMANO RACING TEAM / シマノレーシング(SMN – JPN)
(UCIコンチネンタルチーム)

伝統を背負いながらイキの良い走りが身上の若手主体チーム
大阪府堺市の世界的なバイクコンポーネンツメーカー、シマノがサポートするファクトリーチーム。
1973年に創設された歴史あるチームで、これまでに輩出してきた日本を代表する選手たちは枚挙にいとまがない。チームの中軸を担う風間翔眞が30歳で最年長と、若手を中心に据えた育成チームとしての側面も色濃い。
昨年は研修生としてこのチームでマイナビ ツール・ド・九州を走った22歳の林原聖真は今季からチームに正式加入。将来を期待されるクライマーで、今季はツアー・オブ・タイランドで総合9位に入っている。サバイバルレースに強さを見せる山田拓海や、アタッカーの天野壮悠、ルーラーの香山飛龍といった選手がレースのあらゆる局面で動きを見せるはずだ。
今季からチームに加わった21歳の山里一心は今年U23の個人タイムトライアル全日本チャンピオンに輝いた。若い力の躍動に注目したい。
■TEAM UKYO / TEAM UKYO(TUK – JPN)
(UCIコンチネンタルチーム)

アジアの頂点に立ったチームが見据えるのは、世界
元F1ドライバーでサイクリングに並々ならぬ情熱を燃やす片山右京氏が代表を務めるUCIコンチネンタルチーム。
2025年UCIアジアツアーランキングで1位。目指すは「日本国籍チーム初のツール・ド・フランス出場と表彰台」だ。
チームエースは、今春プロシリーズのツアー・オブ・ジ・アルプスでトム・ピドコックをスプリントで下したトンマーゾ・ダーティ。続くツアー・オブ・ジャパン 2026ではステージ3勝とポイント賞を獲得。近い将来のワールドチーム入りも噂される23歳(マイナビ ツール・ド・九州2026開催時は24歳)の脚質は山岳もこなせるパンチャー。出場が叶えば九州で総合優勝を争うことになるのは確実だ。
また、同じくツアー・オブ・ジャパンでステージ優勝を飾ったニコロ・ガリッボやフェデリコ・イアコモーニ、シモーネ・ラッカーニら実力あるイタリアの中堅選手もステージを狙うだろう。寺田吉騎や山本哲央、窪木一茂といった日本の実力者もステージ優勝争いに絡んでくるはずだ。
■TERENGGANU CYCLING TEAM / トレンガヌ・サイクリングチーム(TSG – MYS)
(UCIコンチネンタルチーム)

アジアベストチームの奪還に燃えるマレーシアチーム
マレーシア・トレンガヌ州に本拠を置く2011年設立のUCIコンチネンタルチーム。
これまでに6度UCIアジアツアーランキング1位に輝いており、21世紀のアジアを代表するチームと言っても過言ではない。マレーシアの有力選手に加え、ヨーロッパやアフリカの実績ある選手を登用し、あらゆるレースコンディションに対応する布陣を敷いている。
マイナビ ツール・ド・九州は2023年の初回大会から皆勤賞だ。日本のレースでも積極的な走りで名前が知られるマティアス・ブレンホイやアドネ・ファンエングレンは混戦となるアジアツアーのサーキットでの走り方を心得ており、今季から加入したスプリンターのピエール・バルビエは新チームですでに勝利を挙げている。
UCIワールドチームのアスタナで活躍したヴァディム・プロンスキーや、ステージレーサーとして将来が期待される22歳のファーガス・ブラウニングのほか、過去ナショナルチャンピオンに輝いたモハメド・ヌル・アイマン・ビン・ロスリやヌル・アミル・ファクルディン・マズキといったマレーシアを代表する選手にも注目したい。
■VICTOIRE HIROSHIMA / ヴィクトワール広島(VCH – JPN)
(UCIコンチネンタルチーム)

強力なパンチャーとルーラーを擁するオレンジチーム
「広島から世界へ」を掲げ、2015年に中四国地方初のプロチームとして誕生したヴィクトワール広島。広島のシンボルであるモミジの色から、チームカラーはオレンジだ。
昨年まではクライマーを擁し、一週間規模のステージレースでは総合成績を狙う布陣を敷いたが、パンチャー/ルーラータイプを中心とする2026シーズンはステージレースの区間優勝を狙いつつ、数日規模の大会では総合優勝を手にしている。そんなチームの中軸を担うのは今季第26回ツール・ド・熊野で総合優勝を遂げたルーク・バーンズと、昨年おおいたアーバンクラシック ロードレースで優勝したエリオット・シュルツの2人のオーストラリア人選手。
さらにチーム在籍4年目のレオネル・キンテロはスプリント力にも秀で、超級山岳以外のあらゆるコースで勝利を狙える。
2026年6月現在Jプロツアーの総合首位争いを繰り広げている孫崎大樹は、視野が広くレースの組み立てに長ける存在でスプリントに勝機を見出す。アタッカーの久保田悠介はレース序盤から動いてくるだろう。
■VICTORIA SPORTS PRO CYCLING / ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング(VSC – PHL)
(UCIコンチネンタルチーム)

フィリピンの新チームは大会にいよいよ爪痕を残せるか
2023年創設とまだ新しいフィリピンのUCIコンチネンタルチーム。
チームの大半がフィリピン人選手で占められるが、リザルトを狙うのは外国人選手だ。スプリント力に秀でるオランダのイェロン・メイヤースと、UCIプロチーム所属経験のあるブラジルのニコラス・セスラーは共に過去2年、ツール・ド・九州を走っている。
これまで本大会における最高順位はメイヤースがもたらした2024年の熊本阿蘇ステージでの5位。今年はさらに上を狙う。2月に行われたナショナル選手権でチームはタイトルを失ったが、今季加入の19歳マーク・バルエロがU23で勝利したことは明るいニュース。個人タイムトライアルに強いニコル・パレハはレース序盤のアタック合戦に顔を見せるだろう。
【チーム紹介寄稿:小俣雄風太】
※紹介選手の大会出場は未定。記載の情報は執筆時状況。